あまりに静か過ぎて、まるでこの世に存在してるのが自分だけのように感じられる、そんな夜。

ある一人の日本人男性の最期の映像を見るかどうかで、パソコンの画面を前にしてしばし悩む。彼は間違っても自分のこのような姿を見られることを望んではいないだろうし、な。ただ悩んだ上で、最終的には見ることにした。軽く呼吸を整えつつ、マウスをそっと静かにクリックする。

言葉が出なかった。

別に気持ち悪いとかそういうのはなかったが、自分の中の気持ちがもの凄く重くなっていくのを強く感じた。自分は普段からホラー映画とかサスペンス物をよく観ているから、”絵”的にはそんなに衝撃を受けたわけでもないのだが...。この気持ちの重さは、直接知っているわけではない一人の人間の生命の重さなのだと思う。二度とこのようなことが起きないように、とただただ思った。具体的に今後このような事が起きないために自分に何ができるのかはわからないけども、このあまりにも短い瞬間を見た上で"この事”を考えるのとそうでないのは凄く差がある気がした。

心の底から、ご冥福をお祈りいたします。

一人の日本人がまさにその瞬間に命を断たれようとしている時、その国の代表者は笑ってお祝い事に参加していた。それについて聞かれると「じゃあ引きこもっていればいいのか」と言い返したその国の代表者。無論、国の代表者としてさまざまなことを消化していかなければならないのは確かだが、少なくともお祝い事で笑いながら談笑しているより他に取る行動はあったような気はする。そんな国に自分が住んで生きているということ。いろいろな想いが自分の中に浮かんでは消え、それを何度も何度も繰り返していた。