supercar解散

supercar解散」という事実を知って、正直今微妙な心境である。なんか心の中に穴が開いたような感覚がある一方で、単に衝撃を受けて唖然とするのみか、というとそれもちょっと違う気がするからだ。ここ最近の作品や彼らを見て、自分の心のどこかで「(解散)近いのかな...」と思っていた節も多少ならずあったし。
個人的に一番「解散」と聞いて衝撃を受けたのは、自分周りの人ならご存知だとは思うが、やはりフリッパーズ・ギターである。それには、例えば自分勝手な思い入れだとか幾つもの要因が複雑に絡んでくるわけだが、その衝撃の大きな要因はやはり「これからピークを迎えつつある」時期に彼らがあまりに突然に終止符をうったから、な気がする。
それと比較してsupercarの場合。数曲いい曲を残しては消えていったバンドと同じように時代を走りながら、まず彼らは、思春期的な青さを無邪気にクレバーに鳴らした。その音はやがて、まるで光のような白さへと変化を遂げ、最終的には光の白さとはまるで対照的な黒いサウンドへと進化・深化を遂げた。そんな圧倒的にしたたか過ぎるほど絶妙なバランスで、約9年近いタームを音を鳴らし続けた、そのことがむしろ奇跡的だった気がしてならない。だからこそ、この終わりはどこかで本望なのではないかとすら今、思えてならないのである。
結局のところ、デビューアルバムのタイトルが「スリーアウトチェンジ」で、最終的にラストとなったアルバムのタイトルが「ANSWER」なバンドである。ここまで示唆的なwordを提示し続けたズレのなさは、早かれ遅かれこの結末を予告していたように思える。
今後、編集されたアルバムが2枚dropされ、ラスト1回のライブがあるという。でもこのアルバムを買うことはないだろうし、ライブにいく気も全然しない。だって、彼らは、supercarはすでに終わってしまっているのだから。
スリーアウトチェンジ JUMP UP Futurama HIGHVISION